分娩後出血の見取り図 ― 第7回:止まらないとき、何を選ぶか

分娩後出血(postpartum haemorrhage:PPH)の10〜20%は一次治療では止まらず、この難治例が重症化と死亡の大半を占めます。外科的止血で難しいのは、個々の手技よりも、どの出血源に、どの状態でどの手技を用い、止血と蘇生をどう並走させるかです。第7回は、出血源別の止血、ダメージコントロール(damage control)、癒着胎盤スペクトラムでの止血を整理します。
Obstetric Strategist 2026.09.10
誰でも

本連載は産婦人科専門医が執筆しています。頻出する略語は記事末尾の付録にまとめ、本文では初出時に展開します。

結論(忙しい先生へ)

  • 分娩後出血の10〜20%は一次治療(子宮収縮薬・子宮マッサージ・トラネキサム酸)で止まらず、この難治例がPPH関連の重症化・死亡の大半を占めます(Liu 2023)。 難治化すると原因の分布が変わり、子宮弛緩が単独原因を占める割合は反応例の53.2%から難治例で31.5%へ下がり、代わって産道裂傷が増えます。高位の腟壁や頸管の裂傷は麻酔下の診察まで見つかりにくいため、系統的に出血源を探します(Widmer 2020)。

  • 止血の手技そのもの(子宮動脈結紮・圧迫縫合・動脈塞栓・子宮摘出)は日本のガイドラインに示されています。難しいのは個々の手技ではなく、どの出血源に、どの状態で用いるかです。 とくに子宮温存の外科手技(血管結紮と圧迫縫合)については、互いを比べた試験がなく、どれかが優れるというエビデンスも、どれを一次治療にという学会の合意もありません(Bouchghoul 2024)。決まった順序はなく、出血源と患者の状態、術者が習熟した術式で選びます。

  • かつて基準となる手技だった内腸骨(下腹)動脈結紮は、技術的に難しく、合併症も重くなりえます。 まれに重篤な合併症(腸骨静脈や尿管の損傷、殿部の跛行)を伴うため、Bouchghoulらは、子宮動脈結紮や圧迫縫合を先に用い、それらが失敗した後に内腸骨結紮を留保する順序を提案しています(Bouchghoul 2024)。

  • 一次治療で止血しきれないときは、止血だけに頼らず蘇生を並走させます。 輸液で血圧を戻すより血液製剤を早く十分に投与し、血圧はやや低いまま——平均動脈圧50〜60mmHg——で出血源の制御を急ぎます(permissive hypotension、許容的低血圧)。それでも止まらなければ、一度で終わらせようとせず、出血源を抑えてパッキングし、蘇生してから改めて根治手術に戻ります。こうしたダメージコントロールの戦略のもとで(Liu 2023)、産科の観察研究は、段階的な手術が救命に寄与しうると報告しています(Ordóñez 2017)。

難治性という別の局面

一次治療で止まらない難治例では、原因の分布が子宮弛緩から産道裂傷へ移ります。 単独原因としての産道裂傷は、反応例の12.8%から難治例では28%へと倍増します(経腟分娩後の重症例を対象とした解析。Widmer 2020)。難治例では弛緩と裂傷がほぼ同じ割合になり、子宮収縮薬や子宮内バルーンで弛緩に対処しても出血が続くとき、原因は弛緩とは限りません。

そのため、難治化した時点で、麻酔下で系統的に出血源を探します。高位の腟壁や頸管の裂傷は、全長にわたって確認しないと見落とすことがあります。二次手技(second-line)を要した難治例でも、最も多かったのはこの裂傷の縫合で、41.3%(59例)にのぼりました(Widmer 2020)。ここで出血源を一つずつ確認して初めて、次に述べる止血手技のどれを、どう用いるかが決まります。

止血手技は、出血源と患者の状態で選ぶ

止血の手技そのもの——子宮動脈結紮・圧迫縫合・動脈塞栓・子宮摘出——は、日本のガイドライン(産科ガイドライン2026・CQ416-2)に示されています。難しいのは個々の手技ではなく、どの出血源に、どの状態で用いるかです。 経腟分娩や閉腹後のPPHでは、まず薬物治療と低侵襲手技(子宮内バルーンなど)を試み、それでも止まらないときに開腹へ進みます。開腹してからは決まった一本の順ではなく、止血までの時間を確保する手技と、出血源ごとの根治手技を、患者の状態に応じて選びます。そしてこのすべてを、輸血と凝固障害(低体温・アシドーシス・凝固因子の枯渇)の補正と並走させます——止血が完全につかなくても、失う量を上回る輸血ができれば血行動態は保てる、という原則です(次節)。

患者が不安定なら、根治手術を急がず、まず容体の安定を図ります。 子宮タニケット、子宮内バルーン(第6回)、用手的な大動脈圧迫、大動脈内バルーン遮断(resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta:REBOA)、骨盤パッキングで出血を一時的に抑え、その間に輸血と蘇生で容体を立て直します(REBOAは本稿の癒着胎盤スペクトラムの節、パッキングを含む段階手術は本稿の後半で扱います)。

産道の裂傷は、見つけしだい修復するのが先です。子宮からの出血に対する温存手技は、大きく血管結紮と圧迫縫合に分かれます。子宮動脈結紮(O'Leary縫合など)は、単純で速く、習得しやすい手技です。 265例を集めた報告では、成功率97%(ただし癒着胎盤スペクトラムの例は含みません)でした。合併症は後腹膜血腫が1%程度とまれで、子宮摘出でも最初に行う手技であるため、摘出が必要な場合にもそれを遅らせません(Bouchghoul 2024)。

子宮弛緩によるびまん性の出血には、圧迫縫合(B-Lynch法など)が向きます。 前向きに211例を追った英国の登録研究(UK Obstetric Surveillance System:UKOSS)では、子宮摘出に至った失敗率は25%(95%信頼区間19〜31)で、縫合の術式(B-Lynch・変法・その他)による差はありませんでした(Kayem 2011)。数多くの変法がありますが、どれかが明らかに優れるという証拠はありません。

内腸骨(下腹)動脈結紮は、技術的に難しく、合併症は重くなりえます。 まれではあるものの腸骨静脈や尿管の損傷、殿部の跛行といった重い合併症を伴います。かつては基準となる手技でしたが、Bouchghoulらは、子宮動脈結紮や圧迫縫合を先に用い、それらが失敗した後に内腸骨結紮を留保する順序を提案しています(Bouchghoul 2024)。

血行動態が安定していて、画像下治療(interventional radiology:IVR)が使える施設なら、子宮動脈塞栓(uterine artery embolization:UAE)も開腹の前の選択肢になります(Liu 2023)。 低侵襲な処置で止まらず、患者が安定していて、輸血で出血に見合う量を補えるときに、選択的な動脈塞栓を検討します。開腹より侵襲が小さく子宮を残せますが、塞栓には時間がかかり、待てないほど不安定な患者や急速な出血には向きません——その場合は塞栓を待たず、根治手術に進みます(塞栓の止血率・適応・次回妊娠への影響は、本稿の癒着胎盤スペクトラムの節で扱います)。

どの手技を先に選ぶかを裏づける比較データは、ありません。 血管結紮と圧迫縫合を前向き・後ろ向きに比べた試験はなく、どちらかが優れるというエビデンスも、学会がどれを一次治療に推奨するという合意もありません。決まった順序はなく、出血源と患者の状態、そして術者が最も習熟した術式で選びます(Bouchghoul 2024)。血行動態が安定し、若年・初産で次回の妊娠を望む場合には、子宮摘出の前に、一次で止まらなくても二次・三次と子宮温存手技を重ねる判断もあります。ただし血行動態が不安定なら、温存に固執せず、子宮摘出を遅らせません。

止血と並走させる輸血・蘇生の設計を、次節で見ます。

止血と蘇生を並走させる

手技だけで止血しきれないとき、輸液で血圧を戻すよりも、血液製剤を早く十分に投与し、血圧はやや低いまま出血源の制御を急ぎます。 大量出血に対する蘇生の考え方は、この10年ほどで外傷診療から産科へ移ってきました。ダメージコントロール蘇生(damage control resuscitation:DCR)と呼ばれる考え方で、輸液を絞った許容的低血圧と血液製剤の早期補充で蘇生を並走させ、それでも止まらなければ次節の段階手術(damage control surgery:DCS)へ進む、一連の戦略です(Liu 2023)。従来は大量の輸液で血圧を早く戻す方針でしたが、4Lを超える晶質液の輸液は、その後の出血の増加と母体の不良転帰に関連すると報告されており(観察研究。Henriquez 2019)、いまは晶質液を、500mLのボーラスに分けて投与します。血圧の目標も下げ、出血源が制御されるまでは平均動脈圧50〜60mmHgで許容します(permissive hypotension、許容的低血圧)。輸液で希釈すると凝固因子が薄まり(Gillissen 2018)、すでにできた血栓が崩れ、体温が下がる——それを避けるための考え方です。

輸液を絞るぶん、失われた血液は血液製剤で置き換えます。大量輸血プロトコル(massive transfusion protocol:MTP)は、赤血球・新鮮凍結血漿・血小板をあらかじめ定めた比率——1:1:1——でまとめて供給する取り決めで、外傷のPROPPR試験(Pragmatic, Randomized Optimal Platelet and Plasma Ratios)が失血死の減少を示しました(Holcomb 2015)。多くの施設は、推定出血量1,500mLで出血が続いていればMTPを起動します。起動の閾値は施設によって異なりますが、臨床的に重大で急速な出血では、起動を遅らせないことが勧められています(Liu 2023)。

トラネキサム酸は、投与のタイミングで効果が変わります(WOMAN試験、World Maternal Antifibrinolytic)。分娩後3時間以内に投与すると、出血による母体死亡のリスクが下がりました(リスク比0.69)。3時間を過ぎると、この効果は認められません。また、止血のための開腹に至るリスクも、試験全体で下がりました(リスク比0.64)。予防としてではなく、始まった出血の治療として早く使うほど有効です(Shakur 2017)。

一方、遺伝子組換え活性型第VII因子(rFVIIa)は、早期投与で二次的な止血処置や輸血の必要は減るものの、非致死性の静脈血栓塞栓が20人に1人に起こり、生存の改善は示されませんでした(Lavigne-Lissalde 2015)。海外のレビューでは位置づけが限定的になり、多くの産科施設が、より安全な薬剤を優先してMTPから外しています(Liu 2023)。日本のガイドラインには、重篤な難治例に限って収載されています。フィブリノゲン製剤や粘弾性検査(TEG/ROTEM)、回収式自己血輸血(cell salvage)といった凝固と輸血の細部は、次回に譲ります。

止血を並走で支えても、出血が止まらないことがあります。次節では、手術を一度で終わらせずに段階に分ける判断を見ます。

止まらないとき、手術を段階に分ける

それでも止まらないなら、一度の手術で終わらせようとせず、出血源だけを抑えてパッキングし、蘇生してから改めて根治手術に戻ります。 これがDCRの外科的な局面、ダメージコントロール手術(DCS)です。著明な代謝性アシドーシスや低体温、収縮期血圧の低下といった生理的破綻を伴い、手術が90分を超える——こうした状況が、根治的な止血を一度で完遂するより蘇生を優先する目安になります(Carvajal 2022)。

DCSは4つの段階で進みます。第一に、出血源の制御——まだ行っていなければ子宮摘出——を最優先し、骨盤内に7〜10枚以上(症例集積での実測は平均14枚)のガーゼをパッキングし、腹腔は陰圧式に一時閉腹して(Vacuum-Packなど、持続陰圧で滲出液を排出する方式)、手術は90分未満にとどめます。第二に、凝固障害と代謝の異常を補正します。凝固障害を補正してもなお血性の排液が1時間に400mLを超えるようなら、早めに根治手術へ戻るサインです。第三に、生理機能が回復してから——初回手術のおよそ48〜72時間後を目安に——根治手術と確実な止血を行います。第四に、腹腔と腹壁を確実に閉じます。この手順は外傷診療に由来し、産科では観察研究が支えです(Carvajal 2022)。

産科でのDCSの最大規模の報告として、Ordóñezらの108例の症例集積があります。それによると、出血は初回の手術で60%、最終的に97%で制御されました。APACHE II(Acute Physiology and Chronic Health Evaluation II)スコアから予測される死亡は約40%でしたが、実際の死亡は6.5%にとどまりました(Ordóñez 2017)。ただし単一施設の症例集積で対照群はなく、段階手術が救命に寄与しうる可能性を示すにとどまります。

図1 止血と蘇生を並走させ(DCR)、止まらなければ段階手術(DCS)に移行する。産科での最大規模の症例集積では、出血の制御は初回60%から最終的に97%に達した(Ordóñez 2017)。

段階手術には合併症も伴います。Ordóñezらの報告では、創部感染28.7%、腹腔内膿瘍20.3%、腸管脱出(evisceration)10.1%でした(Ordóñez 2017)。

ここまでは、原因を問わず難治化したPPH全体の話でした。次節では、近年報告が増えている癒着胎盤スペクトラムでの止血を取り上げます。

癒着胎盤スペクトラムでの止血——介入の位置と、その後の妊娠

癒着胎盤スペクトラムでは、止血の手技そのものよりも、それをどこで用いるかで術中の出血量が変わります。そして止血に成功しても、次の妊娠が高リスクとして残ります。 癒着胎盤スペクトラム(placenta accreta spectrum:PAS)では、前節までの塞栓や脱血管化は、使うかどうかよりも、どの血管をどの高さで抑えるかへ判断が移ります。REBOA・予防的バルーン閉塞・動脈塞栓は、いずれも確立した手技ですが、近年報告が増えたのは、その介入位置の細部と、止血のあとに残る課題です。

予定帝王切開子宮全摘(planned cesarean hysterectomy)でREBOAを予防的に用いるとき、バルーンを置く高さで出血が変わりうると報告されています(Kluck 2023)。この研究では、留置位置を腎動脈直下(第2腰椎の高さ)から大動脈分岐部の直上(第3腰椎の高さ)へ、わずか1椎体ぶん遠位へ下げたところ、多変量調整後の推定出血量が45.9%少なくなりました。遠位に置くと、下腸間膜動脈や正中仙骨動脈といった側副血行——高い位置のバルーンでは迂回される流入路——まで遮断できることが機序と考えられます。この施設では、これとは別に、手術の早い段階で卵巣動脈を結紮する手順もとっています。ただしこれは44例の単施設・後ろ向き比較で、絶対量ではなく相対的な減少です。透視下での正確な留置が前提となり、著者自身、この期間に術者の習熟が進んだ可能性を交絡として認めています。

先に触れたREBOAも大動脈を遮断するバルーンですが、閉塞する血管を大動脈にするか内腸骨にするかという、別の論点もあります。予防的バルーン閉塞を検討した統合解析では、大動脈を閉塞した場合は対照に比べて術中出血を平均で約926mL、内腸骨を閉塞した場合は約342mL減らし、両者を直接比べた解析でも大動脈のほうが出血を多く抑えました。ただし赤血球輸血の量では差がつきませんでした(Chen 2024)。組み入れられた研究間のばらつきは極端に大きく、この点推定を閾値のように扱うことはできません。

図2 癒着胎盤スペクトラムでの止血——どの血管をどの高さで抑えるか。REBOAは遠位に置くと近位より推定出血が45.9%少なく(相対減・Kluck 2023)、予防的バルーンはそれぞれ対照と比べて大動脈の閉塞が約926mL、内腸骨の閉塞が約342mL減らした(Chen 2024)。REBOAの相対減と予防的バルーンの絶対量は別々の比較・別々の尺度である(研究間のばらつきは大きい)。

塞栓は、これらのバルーンによる遮断とは別の手段です。UAEは、66例の報告で、子宮摘出を回避できた臨床的成功が95%、合併症は4.5%とされています(Ganguli 2011)。ただし、塞栓を終えるだけの時間がない急速な出血や、血行動態が不安定な患者には向かず、その場合は根治手術が適応になります。

UAEで止血できても、次の妊娠まで安全になるわけではありません。Yangらの全国規模のコホートでは、初回分娩でUAEを受けた女性は、次の妊娠で癒着胎盤スペクトラムのオッズ比が38.91、再発する分娩後出血のオッズ比が8.94と、いずれも大きく上昇していました(Yang 2024)。ただしこれは観察研究で、UAEそのものが子宮を傷つけて起こすのか、UAEを要するほどの重症出血や胎盤の異常という素因が次回にも現れるのか(適応による交絡)は区別できません。測りきれない交絡や、生児だけを解析したことによる選択バイアスも残ります。因果は未確定でも、研究者らは、UAE後の妊娠を高リスクとみなし、妊娠初期からの綿密な管理と高次施設への紹介を勧めています。

ここまで見た手技——圧迫縫合・脱血管化・塞栓・段階手術・REBOA——は、いずれも特別な新技術ではありません。最後に、これらが日本の現場でどう位置づけられているかを確認し、第7回を締めます。

日本の現在地——ガイドラインに示された手技と、その選び方

止血の手技そのものは、日本のガイドラインに示されています。難しいのは、その手技をどの出血源に、どの状態で用い、どこで段階手術に切り替えるかという選び方です。 産科危機的出血への対応として、産科ガイドライン2026(CQ416-2)は、止血手技として動脈塞栓(IVR)・子宮圧迫縫合(B-Lynchなど)・子宮動脈結紮・子宮摘出術を挙げ、大動脈内バルーン遮断(REBOA)は高次施設で投入する母体死亡予防のデバイスとして位置づけています(遺伝子組換え第VII因子も、先に蘇生の節で触れたとおり、重篤な難治例に限って収載されています)。動脈塞栓を実施できる体制は高次施設を中心に整っています。

第7回の道筋を振り返ります。難治性PPHでは原因の重心が子宮弛緩から裂傷へ移るため、麻酔下で系統的に探します。止血手技は、子宮温存の外科手技どうしを比べた試験がない以上、出血源と患者の状態、術者の習熟で選び、必要なら次の手技を加えます。止血しきれないときは、輸液で血圧を戻すより血液製剤を先に投与し、血圧はやや低いまま蘇生を並走させます。それでも止まらなければ、一度で終わらせようとせず、出血源を抑えて段階手術に移行します。そして癒着胎盤スペクトラムでは、バルーンや塞栓をどの血管のどの高さで用いるかで出血が変わり、止血できても次回妊娠は高リスクとして管理計画に乗せます。本連載は第5回から第7回で、分娩後出血の治療を扱ってきました。

次回・第8回では、本文で先送りにした凝固と輸血の細部——フィブリノゲン補充、粘弾性検査(TEG/ROTEM)、回収式自己血輸血——と、分娩からしばらくして起こる二次性(晩発性)の分娩後出血を取り上げ、連載を締めくくります。

***

本連載の各回の要旨・図表アーカイブ・参考文献は、公開リファレンスサイト obstetric-strategist.com にまとめています(本文は theLetter で全文無料)。連載全体を一望し、図表や原典に当たる入り口としてご利用ください。

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他の連載もどうぞ(各シリーズ 第1回)

付録:本稿で頻出する略語

  • PPH — postpartum haemorrhage(分娩後出血)

  • MTP — massive transfusion protocol(大量輸血プロトコル)

  • PROPPR — Pragmatic, Randomized Optimal Platelet and Plasma Ratios(外傷での輸血比率1:1:1を検証したRCT)

  • WOMAN — World Maternal Antifibrinolytic(分娩後出血へのトラネキサム酸を検証したRCT)

  • DCR — damage control resuscitation(ダメージコントロール蘇生。止血と蘇生を並走させ、止まらなければ段階手術まで含む一連の戦略)

  • DCS — damage control surgery(ダメージコントロール手術。DCRの外科的な局面)

  • REBOA — resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta(大動脈内バルーン遮断)

  • UAE — uterine artery embolization(子宮動脈塞栓)

  • IVR — interventional radiology(血管内治療・画像下治療)

  • UKOSS — UK Obstetric Surveillance System(英国産科サーベイランスシステム)

  • PAS — placenta accreta spectrum(癒着胎盤スペクトラム)

  • rFVIIa — recombinant activated factor VII(遺伝子組換え活性型第VII因子)

  • TEG/ROTEM — thromboelastography/rotational thromboelastometry(粘弾性検査)

  • APACHE II — Acute Physiology and Chronic Health Evaluation II。急性期の生理指標・年齢・慢性疾患をもとに重症度を点数化し、集中治療患者の死亡リスクを推定するスコア。

参考文献

  • Liu LY, Nathan L, Sheen JJ, Goffman D. Review of current insights and therapeutic approaches for the treatment of refractory postpartum hemorrhage. Int J Womens Health 2023;15:905-926. PMID: 37283995

  • Widmer M, Piaggio G, Hofmeyr GJ, Carroli G, Coomarasamy A, Gallos I, et al. Maternal characteristics and causes associated with refractory postpartum haemorrhage after vaginal birth: a secondary analysis of the WHO CHAMPION trial data. BJOG 2020;127(5):628-634. PMID: 31808245

  • Bouchghoul H, Madar H, Resch B, Pineles BL, Mattuizzi A, Froeliger A, Sentilhes L. Uterine-sparing surgical procedures to control postpartum hemorrhage. Am J Obstet Gynecol 2024;230(3S):S1066-S1075.e4. PMID: 37729440

  • Kayem G, Kurinczuk JJ, Alfirevic Z, Spark P, Brocklehurst P, Knight M; UK Obstetric Surveillance System (UKOSS). Uterine compression sutures for the management of severe postpartum hemorrhage. Obstet Gynecol 2011;117(1):14-20. PMID: 21213474

  • Henriquez DDCA, Bloemenkamp KWM, Loeff RM, Zwart JJ, van Roosmalen JJM, Zwaginga JJ, van der Bom JG; TeMpOH-1 study group. Fluid resuscitation during persistent postpartum haemorrhage and maternal outcome: a nationwide cohort study. Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol 2019;235:49-56. PMID: 30784827

  • Gillissen A, van den Akker T, Caram-Deelder C, Henriquez DDCA, Bloemenkamp KWM, van Roosmalen JJM, et al. Association between fluid management and dilutional coagulopathy in severe postpartum haemorrhage: a nationwide retrospective cohort study. BMC Pregnancy Childbirth 2018;18:398. PMID: 30305108

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  • Shakur H, Roberts I, Fawole B, Chaudhri R, El-Sheikh M, et al.; WOMAN Trial Collaborators. Effect of early tranexamic acid administration on mortality, hysterectomy, and other morbidities in women with post-partum haemorrhage (WOMAN): an international, randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet 2017;389(10084):2105-2116. PMID: 28456509

  • Lavigne-Lissalde G, Aya AG, Mercier FJ, et al. Recombinant human FVIIa for reducing the need for invasive second-line therapies in severe refractory postpartum hemorrhage: a multicenter, randomized, open controlled trial. J Thromb Haemost 2015;13(4):520-529. PMID: 25594352

  • Carvajal JA, Ramos I, Kusanovic JP, Escobar MF. Damage-control resuscitation in obstetrics. J Matern Fetal Neonatal Med 2022;35(4):785-798. PMID: 32102586

  • Ordóñez CA, Nieto AJ, Carvajal JA, et al. Damage control surgery for the management of major obstetric hemorrhage: experience from the Fundación Valle del Lili, Cali, Colombia. Panam J Trauma Crit Care Emerg Surg 2017;6(1):1-7. DOI: 10.5005/jp-journals-10030-1164

  • Kluck SL, Russo RM, Appel NB, Frankfurt AI, Weltge C, Shimer T, et al. Aortic balloon occlusion in distal zone 3 reduces blood loss from obstetric hemorrhage in placenta accreta spectrum. J Trauma Acute Care Surg 2023;94(5):710-717. PMID: 36812423

  • Chen D, Xu J, Tian Y, Ling Q, Peng B. Clinical evaluation of the effect for prophylactic balloon occlusion in pregnancies complicated with placenta accreta spectrum disorder: a systematic review and meta-analysis. Int J Gynaecol Obstet 2024;167(1):109-127. PMID: 38899567

  • Ganguli S, Stecker MS, Pyne D, Baum RA, Fan CM. Uterine artery embolization in the treatment of postpartum uterine hemorrhage. J Vasc Interv Radiol 2011;22(2):169-176. PMID: 21183360

  • Yang WJ, Kang D, Sung JH, Song MG, Park H, Park T, et al. Association between uterine artery embolization for postpartum hemorrhage and second delivery on maternal and offspring outcomes: a nationwide cohort study. Hum Reprod Open 2024;2024(3):hoae043. PMID: 39036364

  • 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会. 産婦人科診療ガイドライン産科編2026. CQ416-2(「産科危機的出血」への対応). 2026:272-276.

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